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退職金不支給

多くの会社では、退職金制度を採用していますが、会社の倒産や経営不振、また懲戒解雇や引継ぎ不履行などを理由に退職金を支払わなかった、または、減額して支払ったために退職者とトラブルとなることがあります。
また、小規模の会社では退職金規程があるにもかかわらず、バブル時代に作成したため支払えないとの理由で従業員に周知することなく退職後にそれが発覚し、退職金を請求されるというようなケースもあります。

退職金とは?
退職金は、本来かならずしも支給しなければならないものではありません。
ただし、就業規則などで支給条件をあらかじめ明確にしている場合には会社に支払い義務が生じます。支払方法など一部に異なる規定が適用されるものの、退職金は法律上、賃金と同じ扱いになります。
なお、退職金の請求権の消滅時効は5年です。

トラブル事例

懲戒解雇による不支給

退職理由が懲戒解雇だからといって退職金を不支給にできるわけではありません。

退職金規程等の中に「懲戒解雇の場合は、退職金を不支給とする」旨の規定があり、かつ合理的で社会的にも相当な理由が必要となります。
つまり、それまでの功労を抹消ないし減殺してしまうほど著しく信義に反する行為があったかどうかが問われます(例えば多額の横領があった場合)。
退職金の不支給はあくまでも最終的には裁判所が決定することですので、こんなときは不支給だと断定できるのでもありません。しかし、退職金を支給したとしても、懲戒解雇する理由が、横領・背任・名誉、器物損壊など相応の損害を会社に与えた場合には、当人に損害賠償を請求することはできます。

競業他社への転職による不支給

不支給にできるには以下の条件を満たしていることが必要です。

労働契約上、競業避止義務が課されていること
競業を制限する範囲が合理的であること
退職金規定に退職前・後を問わず競業避止義務に反した場合は退職金を支給しない旨の規定があること
その違反が過去の功労を抹消又は減殺せしめるほどの重大な背信行為であること

以上のことから、競業他社へ転職したというだけで、退職金を不支給にするということは認められない可能性が高いです。
ただし、この場合であっても、退職金の減額については、就業規則で具体的に規定しておけば可能です。


パートタイマーに退職金不支給は当然のように思われるかもしれませんが、これが支給しなければならない場合があります。 会社がとくに就業規則を従業員によって区別していない場合です。
就業規則はその会社において統一的に労働力の管理を行なうための手段という側面がありますから、原則として会社におけるすべての従業員は等しくこの適用を受けます。したがって退職金の支給要件を満たしている場合は、パートタイマーにも退職金を支給しなければなりません
パートタイマーに退職金を支給しないのであれば、正社員用とパートタイマー用といった異なる就業規則を分けて作成し、規則のなかで適用対象者を明らかにする必要があります。

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