
@配転命令権の根拠
就業場所や職務を限定する労使の合意がなく、就業規則や労働協約に「業務の都合により配置転換、転勤を命じることがある」などの規定があれば、使用者に配置転換を命ずる権限(配転命令権)があるものと解されます。
A労働契約による配転命令の制限
労働契約で、勤務場所を決めて採用されている場合、住居の変更を伴うような勤務地の変更には本人の同意が必要です。
また、職種(例えば医師、運転手等特殊の資格・技術を要するもの)を限定して採用された場合、他の職種(例えば一般事務)に配転するには、本人の同意が必要です。
B 法令上の配転命令の制限
国籍、信条、社会的身分を理由とする不利益配転は、労働基準法3条違反として無効です。女性であることを理由にした差別的配転も男女雇用機会均等法6条違反として無効です。
また、正当な労働組合活動を理由とする不利益配転や、組合への支配介入にあたる配転は、労働組合法7条の不当労働行為として禁止されています。
C権利濫用法理による配転命令の制限
配転命令権は、労働者の利益に配慮して行使されるべきであり、濫用してはならず、業務上の必要性がないものや、不当な動機、目的による配転は権利濫用として無効とされます。業務上の必要性が認められる場合でも、必要性の程度と、配転によって労働者が受ける職業上・生活上の不利益を比較考量して、後者が著しく大きいときは、配転命令が無効になります。 |